【都市圏とは】都市圏の定義の種類を分かりやすく解説

wanwei2025192025-06-21 17:15:01
  この記事では、日本における都市圏の定義を解説しています。   はじめに結論から。   都市圏とは経済・社会的に密接な関係にある市町村の集合体(=都市)のことで、自治法上の管理区域である行政区域とは異にするものです。都市とは複数の市町村の区域で構成されます。   日本においては一部の都市圏を除いて「都市」同様に法令・告示等において定義付されていないです。このため、人により都市圏の概念が曖昧です。   一般的には中心となる都市とその周辺地域を包含するエリアが都市圏となります。   国内では主に5つの指標が用いられています。自治体における都市交通政策や都市経済政策上では❹及び❺が用いられます。      総務省統計局が5年に一度実施される国勢調査毎に更新している大都市圏を示す際に使われる指標です。   「広域的な都市地域を規定するため行政区域を越えて設定した統計上の地域区分」のことです。   都市地域についての定義付は行われていないものの、国勢調査上、中心市及びこれに社会・経済的に結合している周辺市町村を把握するうえでは重要な指標といえます。   ただし、大都市圏及び都市圏の中心市は一部の自治体に限られているのが特徴です。   以上から人口50万人未満の都市圏については調査が行われていません。   また、周辺市町村の定義としては、大都市圏及び都市圏の中心市への15歳以上通勤・通学者数の割合が当該市町村の常住人口の1.5%以上でかつ中心市と連接している市町村としています。   なお、中心市への15歳以上通勤・通学者数の割合が1.5%未満の市町村であっても、その周囲が周辺市町村の基準に適合した市町村によって囲まれている場合は、周辺市町村となります。   人口減少社会に対応するために自治体の連携に対する支援を強化した「連携中枢都市圏構想推進要綱(平成26年)」にて、連携中枢都市宣言書の記載事項の近隣市町村として次のように規定されています。   ※令和5年4月1日現在で38圏域、372市町村が連携中枢都市圏   周辺市町村の要件として必須としている制度というわけではないため行政上の超広域的な連携の枠組みの一つとして都市圏を把握するのに役立つものとイメージするのがいいと考えられます。   国土交通省旧都市局が都市再生特別措置法(平成14年法)の制定に関して平成17年〜平成20年の間、都市と地域の情報発信を目的として調査された「都市・地域レポート」による都市圏です。   5%都市圏はこの都市・地域レポートでのみ使われている指標です。   限定的な期間の中で用いられたレポート上の指標です。   レポートでは、5%の根拠・理由は明記されていませんが、10%通勤圏とは異なり、通勤に加えて通学者数を把握しているのが特徴です。   通学者数を含めているため雇用圏とは異なる社会的かつ経済的な結び付きがより把握しやすいです。   しかしながら5%ですと1.5%都市圏とまでは言えないものの都市圏域が広域となるため都市圏内に中小の連接都市圏が内在することで都市地域に近いイメージです。   都市雇用圏は「日本の都市圏設定基準(2002年)」に基づき定められた都市圏で、汎用性の高い都市圏です。*あくまでも雇用で密接している都市圏   実態の都市経済の範囲を反映しているともいえます。総務省の10%通勤・通学圏と異なる点としては、雇用とあるように通学者数を除いていることと、中心市の規定の部分です。   通勤率の基準を10%通勤率としている理由は日本の複雑な通勤の構造にあるようです。   例えば、複数のベッドタウンとなっている市町村が相当数あります。   この場合、高い通勤率(アメリカ合衆国では25%)を基準に設定すると一方の中心市への依存性の高い郊外市町村による都市圏を把握することはできるもののそれ以外は反映されないことで実態の雇用圏を捉えられなくなります。   都市計画区域とは、都市計画法第5条に規定されていて、簡単に言うと人の経済活動の実態に応じた土地利用をコントロールするための手法の一つです。   法律では、次のように書かれています。   ポイントは、   都市計画運用指針では次のように書かれているのでなんとく都市計画区域をイメージできると思います。   なお、都市計画区域については、都市計画区域が上記の実態を捉えた都市圏として区域指定されているケースもあれば、概ね5年毎に見直していることもあって実態の経済活動の圏域とが乖離しているケースもあります。   そうした都市圏の中には、線引き当時(昭和43年ごろ)のまま区域が変更されていない都市圏もあったりします。   様々な理由があるとはいえ、実態経済と乖離した状態になっていることは将来の都市住民の税負担が増加する可能性が高くなってしまいます。   10%圏域が都市計画区域と連動していると実態の都市経済を捉えて非合理な都市計画を防止することにつながったりします。熊本都市圏の郊外(境界)に立地したコストコが良い例なのでこちらの記事を参考にしてみてください。   結論として都市圏の定義はないです。   最も近い性質のものとして法的に都市域を示す指標としては都市計画区域がありますが、一部の自治体では実態の都市圏と乖離しているケースもあります(下記運用指針でも指摘されています。)。   都市によっては、都道府県域も越えているケース(東京や大阪、京都、名古屋など)もあります。   ただし、5年毎の統計調査などを踏まえて区域見直しが行われることが通例のため、最新の都市圏を捉えられていない可能性があります。   特に近年は激甚化する災害に対応するためのバイパス道路や高速自動車道の整備などにより都市圏が拡大しているケースもあります。   このため、実態の都市圏を確認するためには、10%通勤・通学圏(分母:従業者・通学者総数)が最適だと私は考えています。*経済学者の中には分母を常住人口とするべきと指摘する方もいます。   また、地方の都市圏では、この通勤・通学割合を20〜30%とすると経済上の結びつきがより顕著に把握しやすくなります。   こちらは東北地方第2位の人口を有する郡山都市圏における10%通勤・通学圏と20%都市通勤・通学圏の比較です。   郡山にお住まいの方であれば、10%都市圏が最も実情に則しているのではないかと思います。
文章下方广告位