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wanwei2025202025-06-22 00:42:01
  本稿は日本の都市の機能について検討した後に都市分類を試み,各タイプの都市の特徴について考察したものである。産業別就業者からみた日本の都市の機能には,安定した基本的機能のほかに機能的役割が都市規模によって異なる高次都市機能がある。高次都市機能就業者率は大都市ほど高いが,大都市圏内では衛星都市でも高くなる。農業・漁業は都市機能ではないが,その就業者率は人口5万人未満の零細都市では高い比率となる。そのほかに,東京圏を除く国土の中央部で高くなる製造業就業者率がある。製造業は都市の基本的機能とはいえないが,今日の日本の都市ではその比率は本来の都市機能に比べても高い方である。人口規模や都市機能に人口移動圏の調査を加えて都市分類を試みると,6階層が得られる。さらに,中小都市や零細都市を大都市や中核都市との距離(30 km)によって分類すると,人口増減率や財政力指数には上位都市との距離が強く働き,人口規模とともに立地場所の差異が都市の性格に影響する。大都市圏内の衛星都市は大都市と類似した特徴をもつのに対して,遠隔地方都市は農村部と同様に衰退方向にある。
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